2020/12/09
『ちいさなちいさなものがたり』(1984年偕成社)
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「かこさとし七色のおはなしえほん」シリーズは〈面白い〉という言葉の〈白〉に注目したかこが、白にまつわる話、そして白だけでなく、黒、赤、茶、青、ふじ、黄そして本作品の紫など各本にテーマの色を決めて作った絵本です。
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小さな小さな男の子と女の子は、紫色の深い森に住む紫の服を着たおばあさんに出会い、りんごを食べると姿が変わってしまいます。二人が可愛がっていた犬が助けにやってくるのですが、お話の最後は、その犬のおかげで思わぬ嬉しいことが起こります。かわいい、そしてちょっとドキドキする不思議で楽しいお話です。
はやぶさ2が持ち帰った小さなカプセルに思い重ねて『ちいさな ちいさな ものがたり』のあとがきをご紹介します。
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あとがき かこさとし
(引用はじめ)
子供の目から見ると、机や扉や窓や乗り物など、みな高くて大きくて手が届かず、恐ろしいものに映ります。子どもに適した大きさや逆に小さいものに出会うと、親しんだりいつくしむ心を伸ばし、積極性や勇気を持つようになります。小型の模型や意のままになる玩具が、子どもに喜ばれ、成長に大きな役割を持つ理由がここにあります。
そうした小さなもの、可愛い大きさのものを主題にしたお話を、小さな草の根や貝殻から美しい古代色を生み出した紫に託してまとめてみました。
(引用おわり
本文は縦書き、漢字には全てふりがながあります。
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