編集室より

すごろくのような楽しげなチラシは10月4日までニセコ町・有島記念館で開催中の「かこさとしの絵本展」のものです。左側は裏面、右側に並ぶ絵の出典はどの本からでしょう?

右上「あおいめのかわいいおんなのこ」は『あおいめのめりーちゃん おかいもの』(2014年偕成社)。これは『あおいめ くろいめ ちゃいろのめ』(1973年偕成社)の続編です。

山を背に湖の熊は、『青いヌプキナの沼』(復刊ドットコム・下)の前扉の絵です。

2020年7月12日に開業する国立博物館ウポポイで紹介されるアイヌの人々の暮らしや歴史ですが、子ども向けの物語としてそれまであまり語られることのなかった歴史の一端を絵本に残しておきたいと願ったかこが1980年に刊行、本展示会をきっかけに復刊したものです。

チラシ左側中央の熊も同じくこの本からです。「ダダーン」と熊を撃ったのはアイヌの人たちを追い払い痛めつけた「番所のさむらいたち」。この熊が物語を大きく転換させることになります。

「やま また やま」のフクロウは『どろぼうがっこう』(1973年偕成社)のおはなしを教えてくれた「へんな みみずく」です。

その下の肖像画は「来日の時67歳 ホレース・ケプロン」『技術と情熱をつたえた外国の人たち』(2004年瑞雲舎・下)の一人です。北海道開拓事業に全力を傾け、次なる指導者を育成するために彼が設立した札幌農学校のクラーク学長はご存知の通り。「だるまちゃん」や「からす」に加え、こういった本から複製画をご覧にいただけます。

そうそう、熊の右側、長靴で郵便を投函している女の子は、『だんめんず』(1973年福音館書店)の一部、本では郵便ポストの断面図が載っています。「どっさりすくいとる」のは『どうぐ』(1970年福音館書店/2001年瑞雲舎)からです。

北海道の皆様、どうぞお出かけください。

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