編集室より

ずいぶんセンセーショナルな題名ですが、内容もかなり、切り込んだものです。
この本が出版されたのは、1986(昭和61)年、まだテレビのアンテナが家々の屋根に立っていた時代です。

野球の試合や劇場でのコンサートを生中継していたある晩のこと、テレビの画像が突然消えてしまいます。事故でもテロでも、戦争でもなく、原因はスポンサーの故意によるものでした。「とつぜん みえなくなった」ことでかえって高視聴率、コマーシャル会社は大成功と大喜び。。。

現実にこのようなことが起きるはずはないのかもしれませんが、何故か、さもありなんと思ってしまいます。
当時と比べたら、2021年の私たちは視聴率やスポンサーのことなどをずいぶん知っているようですが、かこのあとがきをお読みください。

あとがき

(引用はじめ)
今、日本ではテレビを見ている人がとてもたくさんいます。そして、人気のある番組や評判の出演者については、人々の話題になりますが、そのテレビがどうやって作られ、組み立てられるのかは、あまり知られていません。特に、テレビ局や会社で働く人たちばかりでなく、視聴率とかスポンサーとか、背後にある大きな因子、経済的側面については、ほとんど関心がはらわれていないようです。テレビという華やかな目に映るものだけでなく、画面にうつらないけれど、テレビジョンというものの一番重要なことに注意を向けてほしいと思っているところです。
かこさとし
(引用おわり)

このあとがきが書かれた頃の日本では、カラーテレビが複数台ある家庭が半数以上ありました。
テレビを見ない世代も出現している現在、テレビジョンではなくスマホやパソコンの画面が突然消えたらどうなるのでしょうか。。。