編集室より

  『いろいろおにあそび』(1999年福音館書店)

2回に分けて2冊のちょとかわったユニークな科学絵本をご紹介します。
今回は『いろいろおにあそび』(1999年福音館書店)についてです。

ユニークなところ その1:吹き出し

吹き出しの中に子どもの言葉が書いてあって、でもこれは漫画ではありません。れっきとした科学絵本で、しかも本文ではなく表紙、正確にいえば裏表紙です。

表紙はこちら。
『いろいろおにあそび』(1999年福音館書店)とあります。

「いろいろ」といういのは「さまざまな」という意味で、タッチおに、つながりおに、はしらおに、しまおに、くつとりおに、くつかくしといった多種類の鬼ごっこが紹介されている本なのです。そして表紙と裏表紙では「いろおに」の実況中継です。

ユニークなところ その 2:色合い

さまざまな意味とはいえ「いろいろ」とうたい、「いろおに」が表紙や裏表紙に登場し、フルカラーの本なのに、使われているのは非常に色を抑えた画面になっています。「いろおに」でも「黒い」ものに触っていれば鬼から逃れられるという設定で、赤は使われずカラフルな絵本とは異なる雰囲気ですが、これは「しまおに」などを説明する際、地面に描く線を際立たせるための工夫です。

ユニークなところ その 3:鬼のツノ

大勢の子どもの中で誰が鬼なのか、はっきりさせるために鬼になっているこどもの頭に点線でツノを描いています。最後の場面では泥だらけの足で家にあがろうとした、つねちゃんを叱るお母さんにもツノが生えているというオチまであります。

変わったところがたくさんあるこの絵本、これも科学絵本なのかと問うたところ、加古は嬉しそうにコックリとうなずいたのでした。7人の子どもとかっちゃんの犬、クロが遊ぶ鬼ごっこの数々。みなさんも是非お楽しみください。