裏表紙の裏話
投稿日時 2025/12/10
何の本の裏表紙かというと、絵本ではなく中央公論新社の文庫『ちっちゃな科学』(2016年中央公論新社・上)のことです。
福田伸一先生と加古の対談を中心に、理科教育や科学についての編集部からのご質問に文章でお答えするほか、科学についての著述を一部再掲載する充実した内容です。当時、90歳を迎えようという加古はだるまちゃんの3作品に加え、各社からのご依頼に応えるべく執筆に多忙でしたので、本書のために表紙や裏表紙を描き下ろす時間の余裕が全くありませんでした。
若い頃なら無理をしてでも描いたかもしれませんが目の状況も芳しくなく、高齢ということもあり、これまでに描いたものを使って表紙と裏表紙の絵とすることになりました。そして裏表紙の候補に上がったのは、当時絶版だった『みんなの生命くらしの化学』(偕成社下左)の表紙の絵でした。
絶版だった本は、その後おかげ様で2024年に講談社より『かこさとし 新・絵でみる化学のせかい 地球と生命 自然の化学』(下右)として情報を新しくした新版として出版となりました。
というわけで現在刊行されている2冊の本の表紙と裏表紙に同じ絵がある、という稀なこととなりました。
なお、新版『絵で見る化学のせかい』出版にあたり、帯にコメントつけてくださったのは福岡伸一先生。これも奇遇でした。
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