編集室より

雪だるまつくりは雪がなければできない遊び、しかも雪質により丸く固められない場合もありますから、これができるのは天の恵みです。とはいえ今年はいきなり大雪に見舞われた地域も多くご苦心されていることでしょう。

雪だるまは、一人で小さく作るもよし、力を合わせて大きく作るのも愉快です。だるまちゃんたちが雪だるまを作る場面から始まる『だるまちゃんとうさぎちゃん』(1972年福音館書店・上)。面白い雪だるまが出来上がり、大喜びのうさぎちゃんたちを見ているだけで、こちらも嬉しくなります。

『ふゆのほし』(1985年偕成社・上)の前扉の雪だるまの目鼻は炭やたどんのようで時代を感じます。

『子どもの行事 しぜんの生活』12月のまきや2月のまき(2012年小峰書店・下)の表紙や裏表紙、前扉にもいたずらっ子がつくったような雪だるまが見えます。この2枚は1月のまきの表紙と合わせて、現在盛岡市民文化ホールで開催中の「かこさとしの世界」展(2021年1月31日まで)でご覧いただけます。

雪だるまができたら次は雪合戦。ゆきのひの遊びは止まるところを知りません。『ゆきのひのおはなし』(1997年小峰書店・下)のさあちゃん、ゆうちゃんたちの楽しそうな様子を見ていた雪だるまたちは、なんと雪合戦を始めます。。。大人が見てもワクワクしてくるお話の絵は、越前市ふるさと絵本館で全場面を展示しています。(2021年3月22日まで、ただし2020年12月28日から翌年1月5日までは休館)

一人ではできない雪合戦は、ちょっと今のご時世では難しいのかもしれませんが、かこが子どもの頃の男の子たちは、それこそ夢中だったようです。その様子を伝えるのが『過去六年間を顧みて』(2018年偕成社)の四年生の時のこの場面もふるさと絵本館で展示していますが、まさにやんちゃの盛りです。

(引用はじめ)
二つ三つと塊が手頭に当たる。五つ目の塊が僕のほっぺたをかすめた。(中略)勝ったと思うとさっきのいたさがなおいたくなった。
陣に帰ってかちどきを上げた。さっきのいたさをわすれて大きな声で
「万歳!」
と叫んだ。今でもそのことを思いだし、雪合戦の愉快だったことをいたかったことをつくづく思い出す。
(引用おわり)

『ゆきのひ』(1966年福音館書店)の校庭では、ニコニコ見守ると先生とその脇で妙に落ち着いている犬と屋根のスズメ。熱戦から外れて長靴の雪を出している子、滑ったり転んだり、雪玉作りに専念したりとその様子は見飽きません。

寒さ厳しい毎日です。どうぞお大事にお過ごしください。