編集室より

こぼれ話

とてつもなく「大きなもの」

投稿日時 2024/11/15

「大きなもの」と聞いて何を連想されますか。

『ピラミッド』、『万里の長城』、『ならの大仏さま』⋯いずれも加古作品になっていますが、2024年11月16日の福井新聞「越山若水」では、その冒頭で加古のデビュー作『だむのおじさんたち』(1959年福音館書店)を紹介しています。

今からさかのぼること65年前、まだ戦後の復興途中にあった日本では電力の供給が追いつかず夕方になると停電が起きたりしていました。当時福音館の編集長であった松居直さんに「時代にふさわしい大きなテーマ」の絵本をかいてほしいと言われてかいたのが、水力発電のため次々と建設されていたダムについてでした。

その後、読者さんからのお手紙をきっかけに、国際協力でインドネシアに建設されたチラタダムを取材して『ダムをつくったお父さんたち』(1988年偕成社)を出版することとなりました。

この福井新聞ではじめて知ったのですが、福井県では足羽ダムが5年後の完成を目指し建設中だそうです。そのスケールの大きさに圧倒されたと記事を書いた方の感想がありました。加古が存命だったら、出かけて行って3冊目のダム絵本に挑戦したかもしれません⋯

加古の2冊のダム絵本については当サイトに詳しい記載があります。

2冊のダム絵本

ダムをつくったお父さんたち あとがき

素数

投稿日時 2024/11/02

6年ぶりに新しい素数が発見されたというニュースが伝わりましたが、素数とは1とその数以外に約数がない数で、すべての自然数は素数の積になっています。英語ではprime numberといいます。(英語だと何か特別な感じがしますね。)

ところで、具体的にある自然数がどの素数の積になっているのかを調べることを「素因数分解」といい、中学数学でも学習します。『科学者の目』(新版2019年・童心社)に登場するガウスは、18世紀の終わりにこの素数が自然数の中にどのように分布しているのか予測を立てました。それから百年以上も経った19世紀の終わりに、ガウスの予測が正しいことが証明され、素数定理と呼ばれるようになりました。この定理はのちの数学の発展に大きく貢献しました。

『科学者の目』(新版2019年・童心社)では「数学の王さま」と呼ばれるガウスの若い頃の逸話や「算術幾何平均」などを紹介「真実をどこまでも追求するすばらしい「科学者の目」となったのである」と結んでいます。

紙芝居あれこれ

投稿日時 2024/10/20

紙芝居といえば幼稚園や保育園でご覧になったでしょうか。
ご自分で演ずることはあまりないかもしれませんが、紙芝居にまつわる話題をお届けします。

加古が子どもたちのためになることをしようと思い至り20代はじめ、会社員の時に人形劇と紙芝居の勉強を始めました。人形劇は劇団プークで、そして紙芝居は童心社の前身、教育紙芝居研究会の会合に参加し自作を披露、合評会を通して学んでいったようです。

後に、その童心社からは多くの紙芝居を出版する機会をいただきました。現在販売されているものは、かこさとし かがくのいりぐちシリーズで以下の5作品と『みんなげんき ピヨピヨ1・2』です。

『あめふってきた ゆきふってきた』
『うみのはなし』
『スイスイおよごう スイミング』
『せぼねのはなし』
『6がつ6ちゃん はっはっは』