講演会レポート

2017年9月9日午後2時より1時間ほど、加古総合研究所の鈴木万里が約50名の皆様にお話をいたしました。かこさとしがセツルメント活動をする中でどのようにして子どもたちと過ごし、子どものことを知り得るようになったのかを焦点に手描きの紙芝居作品(下の写真は1953年作)をご覧頂きながら探る内容でした。
ご覧いただいた約100枚の写真には、未公開の紙芝居作品もありその内容、目的、描き方などそれぞれに込められた意図をご紹介しました。

山形、東京など遠方からご参加の方々もあり聴衆の皆さんは大変熱心に耳を傾けてくださり質問コーナーでは、思い出を紐解きご質問くださる方、研究会での感想を伝えてくださったり卒論のテーマに関連してのお尋ねなど30分程の時間内で十分なご説明がしきれず申し訳なく思いました。

若干の補足をここで付け加えさせていただきます。
1953年、かこさとしが第一回平和展に出展した「平和のおどり」(わっしょいわっしょいのおどり)の審査員であった内田巌画伯からその絵葉書を受け取った内田路子(のち堀内誠一氏夫人)さんは、かこさとしが活動していたセツルメントに参加、当時アルバイト先であった福音館書店松居直編集長にかこを紹介することとなりました。これがきっかけでかこさとしは、1959年デビュー作『ダムのおじさんたち』を出版することになりました。

上の写真はふるさと文学館「医と文学 -杉田玄白からかこさとし・山崎光夫まで-」の撮影コーナー。会場では本展開催にあたり最新のかこさとしインタビュー映像もご覧いただけます。会期は18日(月・祝)まで。

2016年7月3日、愛知県刈谷産業振興センター小ホールで開催された講演会には他県からご参加の方もあり150人以上の皆様が集まられ熱心に耳を傾けてくださいました。

講師は、加古総合研究所の鈴木万里。100枚以上の写真・画像をご覧いただきながら、加古のデビューまでの三十数年間を振り返りました。

自然の中で鋭い観察眼を養った幼年時代。絵を描くことに目覚めた小学生時代。文学に興味をもった高校時代。演劇研究会に入っていた大学時代、そして社会人となりセツルメント活動で子どもたちと過ごした試行錯誤の日々で生まれた物語や紙芝居の数々。

皆さん、興味津々でご質問からも加古作品をこよなく愛読してくださっていることがわかりました。お答えする中で、加古が唯一自ら企画した「美しい絵」出版のいきさつもご披露しました。

講演会場とは別の部屋いっぱいに、加古の著作が並べられていました。中には、本年復刊された「しろいやさしいぞうのはなし」の元になった「ぞうのむらのそんちょうさん」や「わたしのかわいいナミちゃん」「ゆきこんこん あめこんこん」(いずれも偕成社)など、今となっては大変貴重な本もあり、皆さん手にとってご覧になっていました。

中心話題であるセツルメント活動のご紹介パネルも掲示しました。

残念ながら全員は写っていません。。。列の端の方、せっかく並んでいただいたのに失礼いたしました。。。

「ゆきこんこん あめこんこん」(1987年)
この作品は2部からなり、第1部は、なかじままりがコンクールに応募し入選した紙芝居で、画面は第2場面。第2部は、かこさとし「ひが さんさん あめ ざんざん」。

あとがきの最後の部分を引用します。
(引用はじめ)
子どもたちが知っている、親しい主人公たちが、野山や風雪や太陽の光のなかで、自然につつまれ、のびやかに生活する喜びを、この二部作で伝えられたらと考えています。
(引用おわり)

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