コウモリ
雨傘や日傘が出番の季節ですが、加古が子どものころは傘のことを"こうもりがさ"、あるいは"こうもり"と呼んでいました。"こうもり"と聞いて傘だとわかる方は、今ではずいぶん少ないかもしれません。
番傘や唐傘に対して洋傘のことを指して言ったようですが、半世紀ほど前にようやくナイロン傘が一般的になるまでは、"こうもり"は布製で大雨が降ると重たく、雫がたれてきた記憶があります。
その時代は、夕方薄暗くなるとコウモリが飛び回ったものです。「こどものカレンダー8月のまき」(1975年偕成社)には、[こうもりのわらべうた]が、6つほど紹介されています。(下)こうもりに草履やわらを投げ上げてそれにつられて降りてくるのを捕まえようとして唄ったものだそうです。
「コウモリは昼、ほら穴や木の穴などにぶら下がっていますが、夜、人には聞こえない超音波をだして、反射してくる音波を耳で受けてとぶので、ぶつからずに虫をすばやくつかまえられるのです。」と左ページ左下[おうちのかたへ]というコーナーで説明されています。
「ことばのべんきょう くまちゃんの1年」(1971年福音館書店)には、お月見をする夜空にこうもりがとんでいます。
「たこ」(1975年福音館書店)の最後の場面、いろいろな種類のたこが空を舞うところに、こうもりだこが上がっています。子供達にコウモリが身近な存在だったあかしでしょう。
下の絵は、「地球」(1975年福音館書店)春の場面、カルスト地形を流れる谷川脇にある洞窟にいる、きくがしらこうもり、ゆびながこうもりが描かれています。
冬ごもりのコウモリは「こどもの行事 しぜんと生活 11月のまき」(2012年小峰書店)にあります。
コウモリの出す超音波のことがありましたが、エックス線で見たコウモリもあります。
下の画面の右上です。
これは「かこさとし あそびの大星雲7 くしゃみやおへそのあそび」(1992年農文協)の[骨までみえる]という項目にある絵で「どんなことをしているのかわかりますか?」とあります。
答えは次の絵にある通り。
「やっぱり このすがたのほうがたのしくて いいですね。」ですって⁉︎
楽しいといえば、コウモリが出てくる愉快なお話しに「とんぼのうんどうかい」(1972年偕成社)があります。
とんぼたちを捕まえて袋に入れた「ぎゃんぐこうもりの かくいどりは」と下の絵の本文にありますが、かくいどりとは蚊喰い鳥の意味でコウモリの別名、夏の季語だそうです。この場面から物語は一転するのですが、その痛快な場面は越前市ふるさと絵本館で2017年6月29日から8月30日まで展示していますので機会があれば是非ご覧下さい。
そして、だるまちゃんシリーズにもコウモリが登場します。ほらあなにに住むやまんめちゃんとやまんばあちゃんが「ごろ」と呼ぶコウモリが「だるまちゃんとやまんめちゃん」(2006年福音館書店)でご覧のように活躍します。
ところで、皆さんのご近所ではコウモリを見かけますか。