『うどんのはなは どんないろ』(1987年農文教)
もちろん「うどん」という植物はありませんので「うどん」の花はないわけですが、うどんは何から作られているのかに興味を持っていただこうというのが、この題名が意図するところです。この本は文のみかこで、前がきにあたる[この本のねらい]には次のようにあります。
(引用はじめ)
「めん類」を描いたこの巻は、食物シリーズの中でも異色の1冊でしょう。
幼い子供は、発達の度合いに応じた合理性と系統性を求めます。草は草色、土は土色と知ると、なぜ水は水色ではなく無色か知りたがります。そばはそばの花からみのると知ると、うどんはうどんの花からできると類推します。こうした疑問や合理性を大事にしながら、おいしさへの関心と正しい知恵がぐんぐん麺類のように伸びて欲しいと作られたのが、この絵本です。
(引用おわり)
それでは、あとがきのご紹介です。これは小さな読者も読めるように全てひらがなで分かち書きとなっています。
あとがき
(引用はじめ)
「めんるい」だけを かいた こどもの ほんは この えほんが はじめてでしょう。
なぜ かいたの?ときかれれば こどもたちが だいすきだからです。
どうして すきなの?といえば つるつる たべやすいからです。
どうしておいしいの?とたずねられれば おねだりして こんばんの しょくじを「めんるい」に してもらって たべて みれば わかることでしょう。
どうか ためして みてくださいね。
(引用おわり)
そんな訳でうどんが食べたくなったけれど、レシピに困ったら、麺類なんでもおまかせの『からすのそばやさん』(2014年偕成社・上下)にご相談ください。色々ありますよ。ゆうやけうどん、まよなかうどん、みけねこうどん、わんわんうどん、ごちそううどん・・・寒い時には暖かいものが嬉しいですね。