編集室より

太陽

投稿日時 2023/03/13

まもなく春分の日です。
この日と秋分の日は昼間の時間と夜の時間が等しく、春分の日から夏至の日までは昼間の時間が長くなっていくわけですが、この太陽と地球の関係については、新装版 『かこさとしの地球のかがくえほん あさよる、なつふゆ ちきゅうはまわる』(2022年農文協・上)や『こどもの行事 しぜんと生活3月のまき』(2012年小峰書店・下)で、わかりやすい図入りで説明しています。

太陽そのものについては、『大きな大きな世界』(1996年偕成社・下)にその大きさについて、

太陽の一生や太陽光線については『宇宙』(1978年福音館書店・下)に詳しく描かれています。

『太陽と光しょくばいものがたり』(2010年偕成社)は太陽光を活用する「光触媒」を発見した藤嶋昭先生の発見とその内容についてですが、表紙にある太陽のまわりには、「ひかり」に関係するようなさまざまな言葉が降り注ぐように書かれていて、言葉遊びの本なのかと思ってしまうようなユニークな絵が目を引く科学絵本です。

お話の本に描かれている太陽には、目鼻があって大きな口で笑っているものが描かれていることが多いようです。

『はれのひのはなし』(1997年小峰書店)は、晴れのいちにち、外遊びをするこどもたちの頭上にはニコニコ太陽が全場面に描かれ、影が朝とは反対側にできる日暮れまで、遊ぶこどもたちを見守っています。

『わっしょい わっしょい ぶんぶんぶん』(1973年偕成社)ではアクマからサンザンに嫌がらせを受けた人々が最後に平和的な大逆襲をする終盤の場面はこうです。
(引用はじめ)
おひさまは キラキラ グルグル まわりだし、
あたりの くうきは、ぶるぶる びゅんびゅん
なりました。
(引用おわり)

この満面の笑みの「おひさま」に象徴されるような晴れやかな結末となります。

このような太陽の描き方を加古はこどもたちから教わったと話しておりました。

1950年代、川崎セツルメントの活動でこどもたちに絵を描くことを指導していた際、子どもたちが様々におひさまを描くのを見て大変興味を持ちそれを集めて大切に保存していました。

そんなこどもたちの描いたおひさまを模写して、編集、印刷を任されていたガリ版冊子「紙芝居研究会1968年1月号」の表紙を飾っているのを『絵本への道』(福音館書店・下)の裏表紙に見ることができます。

画面では見えませんが、ガリ版刷りのものには「絵は川崎セツルメントの子どもたちがかいた太陽の画」と説明があり、子どもたちの絵では色は、赤や黄、オレンジ色等で目鼻の入れ方、光線描き方にも個性があるのがわかります。

日差しが日に日に強くなってきましたが、今のこどもたちはどんなふうに太陽を描くのでしょうか。