メディア情報

2020/01/29

キジムナ

『だるまちゃんとキジムナちゃん』は2018年三作同時出版された「だるまちゃんシリーズ」の一冊です。間も無く92歳の誕生日を迎えようという、かこがテレビや新聞のインタビューでこの作品に込めた思いを語っていたように、あとがきにもありますが、戦後からの状況が未だに続く沖縄にエールを送りたいという気持ちを著したものです。

ご存知のように「だるまちゃん」シリーズはそのお相手を日本の郷土玩具に求めていますが、キジムナちゃんも他のお相手同様長い時間をかけて、かこが調べ温めていました。1991年刊行の『かこさとし あそびの大惑星4いちぬけた にいにげた のあそび』(農文協・下)に、すでに[おきなわキジムナーたちのあそび]という項目があり、「キジムナーは、おきなわのこどもたちの よいあそびなかまです」として、ヤラブやアダンといった沖縄独特の植物を利用した遊びの数々を紹介しています。

「おにごっこ・・・カチミンソーリー
 かくれんぼ・・・クワッキソーリー
 ちゃんばら・・・タタカイグアーセー
といいます。」と言った記述もあります。

『だるまちゃんしんぶん』(2016年福音館書店)には「おきなわ キジムナちゃん ほうもん」というコーナーがあり、だるまちゃんが報告しています。それによるとキジムナちゃんの嫌いなものは、にわとりの声と飛行機の音だそうです。

2020年1月12日琉球新報朝刊には、こんなクイズが掲載されました。

沖縄を舞台にした絵本「だるまちゃんとキジムナちゃん」を発刊した作家は誰かな?

三人の作家の名前から選ぶというもので、はなれた紙面にある答えには、絵本の内容が簡単に紹介されています。昨年は首里城の悲しい出来事もありました。キジムナちゃんは今頃どんなことを思っているのでしょうか。

2020年2月1日から始まる八王子市夢美術館での全国巡回展では、『だるまちゃんとキジムナちゃん』の原画もご覧いただけます。

8月29日に福井県越前市で開幕

寒中ですが、真夏の情報です。
かこさとしの生まれ故郷、福井県越前市でこの夏、紙芝居まつりが開かれます。開会式会場の文化センターに面している武生中央公園のだるまちゃん広場には紙芝居を楽しめるような仕掛けがありますし、この春には新たな台も加わる予定です。

ところで、ロンドンのハイドパークには「スピーカーズコーナー」という場所があって、日曜日の午後には、ここで自由に自分の意見を述べることができます。特別な縁台があるわけではなく、自分で持ってきた木箱などに立って、自由に語り、聴衆とやりとりをすることができます。

紙芝居を持ってきてそんな風に自由に演じ自由に見て楽しめたらという思いを込めて、武生中央公園の監修にあたり、紙芝居ができる仕掛けを設けていただきました。かこさとしが30代はじめの頃、川崎の多摩川の土手や子どもたちが集まる、通称三角公園で演じていた野外紙芝居。生の声で直接語りかける紙芝居の魅力は、電気を通して聞こえてくるものとは違うものがあります。

この夏はふらっと紙芝居、そんな贅沢をお楽しみください。
大会に関しての記事は以下で。

紙芝居大会

本屋さんの棚にクリスマスコーナーができて、『だるまちゃんとうさぎちゃん』が並べられているのを見かけました。

この本や『マトリョーシカちゃん』は雪の場面がありますのでその連想ですね。

2019年秋、装い新たに白泉社から刊行された『サン・サン・サンタ ひみつきち』(上・表紙、下は裏表紙)は、クリスマスの朝にプレゼントが届く訳をお子さんにも納得いくように語る夢あふれる物語です。プレゼントのおもちゃは、実はリサイクルによって作られたものというところが、リサイクルやエコという言葉が使われるずっと前からリサイクルを心がけていた、かこらしい発想でもあります。

この本は「コドモエ」12月号〈ページをひらけば ほら、クリスマス〉コーナーでも紹介されています。

クリスマスツリーを飾るのは場所もとるし手間も大変という方、この一冊を飾ってみてはいかがでしょうか。

越前市のだるまちゃん広場では今年もクリスマスイルミネーションが始まりました。図書館脇にあるもみの木は、『きれいなかざり たのいまつり』(1987年 福音館書店)をイメージして植えられています。

この本はクリスマスツリーの根から木の先端までを飾る様々なものが描き出されていて全場面がつながると高い一本の見事なクリスマスツリーにるようにできています。

『かわ』が横に伸びるのに対してこれは縦に伸びる一冊の絵巻じたてできるのです。来年の今頃には絵本として復刊されていることを願ってやみません。

『きれいなかざり たのしいまつり』の最後をご紹介します。
(引用はじめ)
あなたに しあわせ くるように いのって このひ すごします
こころ ゆたかに やすらかに ほしふる よるを すごします
(引用おわり)

災害の多い今年でしたが、どうか心豊かにやすらかにお過ごしください。

小学生のとき、伝記を読む宿題が出た私は父かこさとしに相談したところ、早速一冊のハードカバーの本を買ってきてくれました。それが「キュリー夫人」。当時はそのように呼ぶことが多かったように記憶しています。(上の写真は『世界の科学者12か月』より)

研究者としての熱意と努力、真面目で優しく、つつしみ深い人柄、しかも悪には毅然とした態度を貫く強さは、ノーベル賞を2度も受賞した科学者のかがみであるとともに人間としても素晴らしく尊敬に値するものだということが子供心にわかりました。

そのマリー・キュリーを紹介する展示会が開かれるそうです。題して「マリー・キュリーの科学への情熱展」。2019年が、メンデレーエフが元素の周期律表を発見して150周年の記念の年であり開催されるものです。(下の写真はかこさとし『科学者の目』でメンデレーエフを紹介しているページ)
展示会については以下にあります。

マリー・キュリー

マリー・キュリーに関しては冒頭の写真にあるように『世界の化学者 12か月』(2017年偕成社)の11月でマリーとその家族の功績を紹介していますが、まもなく12月、ノーベル賞の授賞式がおこなわれます。

『世界の科学者12か月』の』10月ではノーベル賞受賞者の福井謙一博士を、12月では2019年受賞の吉野彰博士が化学に目覚めるきっかけとなった「ろうそくの科学」とその著者ファラデー(写真・下)についても書いてあります。

今年刊行された『科学者の目』(2019年童心社)には残念ながらマリー・キュリーはとりあげられていません。その理由を加古は、あまりに有名でよく知られているのであえて登場させなかったと申しておりました。『科学者の目』は、もともとは新聞に掲載するために書かれたもので古今東西の41人の科学者について、その人間模様をも伝えるものです。

2019年10月20日発行の『子どもと読書』(11・12月号)の書評では「頑張れば自分も科学者になれるかもしれないと、科学への興味とあこがれを抱かせてくれる本」と評されています。

『科学者の目』の前書きでかこさとしは次のように語っています。
(引用はじめ)
古来からすぐれた科学者たちは、めぐまれない人びとのため、科学の力が役立つようさまざまな苦心をし、努力をかたむけてきました。それを知ってほしいと思って書いたのがこの本です。
(引用おわり)

科学者の人間としての生き方を是非お読みください。

京都新聞アート&イベント情報サイト[ことしるべ]「かこさとしの世界展」特集

かこさとしの絵本を読もう①「あさですよ よるですよ」

かこさとしの理想が投影されているような豊かな暮らしが、かわいい豆の家族の1日によって描かれています。時間という目に見ないものが小さなお子さんにもわかります。

越前市武生中央公園にはこの絵本の世界が立体になった「まめちゃんえん」もあり小さいお子さんが遊ぶのにぴったり。

姉妹編『あかですよ あおですよ』(2017年福音館書店)もあります。

記事はこちらから。

あさですよ

給食に「だるまちゃん」のお餅

News Up オトナもうらやむ給食

最近の給食は大変美味しいそうで、その献立も世界各地の郷土料理が登場するなど工夫されているようです。読書週間にあわせて本に関連するメニューも登場することがあると紹介されています。

そしてなんと、「だるまちゃんとてんぐちゃん」のお餅も登場だそうです。絵本ではだるまちゃんのためにだるまどんが昔ながらの方法でお餅をついてあげるのですが、2019年夏、ひろしま美術館で「かこさとしの世界展」開催の折には、カフェで「だるまちゃん」のお餅にちなんで、ずんだ餅をメニューにしました。きっとそのイメージが強かったのでしょうね。。。

おせち料理の予約が始まってお正月が話題になる季節になりました。お餅を食べながら「だるまちゃん」のことを思い出していただけたら幸せです。そうそう、かこさとしは磯部餅が大好きでした。。。

記事は以下で。

給食

食欲の秋!餃子・コロッケ・ホットケーキ……

『からすのパンやさん』

暖かな食べ物がうれしい季節になりました。おいしいものが出てくる本の紹介のなかで取り上げられているのは『からすのパンやさん』。焼きたてホカホカのパンの香りがしてくるようです。

この続編には『からすのおかしやさん』『からすのやおやさん』『からすのてんぷらやさん』からすのそばやさん』といずれもおいしそうなものがズラリと並びます。合わせてお楽しみください。

記事は以下です。

ほんのひきだし

『コウノトリのコウちゃん』(2017年小峰書店)は、かこの生まれ故郷福井県越前市の白山・坂口地区の様子を取材して出来上がった絵本ですが、この地区では兵庫県豊岡市の取り組みを模範にコウノトリがすめる、人間にもよい環境作りに県や市とともに取り組んでいます。

人間の仕掛けたわなでケガをした豊岡のコウノトリが元気になって放されたことを伝える記事で、かこが小峰書店のご協力でお手伝いした「手ぬぐい」が、お役に立ったようです。以下でお読みください。

コウノトリ

だるまちゃんもいます!

菊薫る武生中央公園です。
今年のテーマは童話のお姫様。シンデレラの馬車に乗って写真が撮れるそうです。白雪姫、人形姫にかぐや姫や乙姫様。そして「だるまちゃん」も特別参加!

入場無料です。

目の保養ができて、美味しい空気に菊の香りにも癒される越前市中央公園で秋のひと時をお楽しみください。
シンデレラの馬車からゆっくり歩いても5分もかからずに「かこさとし ふるさと絵本館 石石(らく)」に到着。『まさかりどんがさあたいへん』の全場面も展示しています。是非お寄り下さい。

2019年10月5日福井新聞でも報じられました。以下でお読みください。

福井新聞

福井新聞online

また、2019年10月8日には、読売新聞でも「広がる童話の世界 シンデレラ、白雪姫ら登場 たけふ菊人形」という見出しで報じられました。

2019年10月11日 中日新聞 「だるまちゃん 残った残った 越前市 園児読み聞かせ、紙相撲」

2019年10月9日に、ふるさと絵本館で行われた「だるまちゃんといっしょにあそぼう!」のイベントについては以下からどうぞ。

同様の記事が2019年10月10日 福井新聞朝刊「みんなで読もう」コーナーで【加古ワールド ゲームで満喫 越前市の園児】として報じられました。

中日新聞 ふくい地域

福井新聞