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石、粘土版、木簡、皮など人間は様々のものに文字を書いてきました。電子機器に頼る現代の私たちですが、紙を手放すことはできません。紙を最初に作ったのは、中国の蔡倫と言われていますが、『新版 科学者の目』(2019年童心社)に紹介されているように「樹皮、麻布、ぼろきれ、魚網などを使って紙(蔡侯紙)をつくり、105年に和帝に献上した」そうです。
しかし、「考古学上の調査によると蔡倫よりもっと古く、紙らしいものがあるのに、紙の発明者として蔡倫の名が伝えられている」理由が重要なのだと続きます。是非、本文をお読みください。
今までゴミと思われていた玉ねぎやじゃがいも、みかんの皮や茶殻など様々な野菜を使った紙なども誕生しています。
以前ご紹介したバナナの茎の繊維を利用したバナナペーパーの本、『ミラクルバナナ』(2001年学研)もあります。
『ミラクルバナナ』は日本、ハイチの大学や企業など多くの協力で出版され、日本語の文をかこがお手伝いしました。あとがきのような最後の部分をご紹介します。
(引用はじめ)
「世界中のおともだちに バナナの紙をみてもらおう」
みんなでそうだんし、バナナのせんいをあつめて、船で日本におくることになりました。
日本の港についたバナナのせんいは、トラックで、紙をつくる工場にはこばれました。
そして、できあがったのが、この絵本につかわれているバナナの紙です。
国をこえて、みんがきょうりょくしてつくった、たいせつな、すばらしい紙です。
(引用おわり)
紙を通してSDGsを考えるきっかけにもなりそうです。
この本を通じ、ハイチのことを知ろうという小学校の呼びかけは以下をご覧ください。
ミラクルバナナ
尚、『新版 科学者の目』については2021年11月14日佐賀新聞「県立図書館のドンどん読書」コーナーで紹介。記事は以下でどうぞ。
科学者の目
2016年に復刊されて大きな話題になったこの絵本。大人もこどもも、もう一度読んでみたいと思うのは、1983年出版当時のかこの「あとがき」にこんな言葉があるからでしょうか。
一部をご紹介します。
(引用はじめ)
この本は、少数でも優れた考えや案を、狭い利害や自己中心になりやすい多数派が学び、反省する、最も大切な「民主主義の真髄」を取り戻したいと言う願いでかいたものです。
(引用おわり)
BSNキッズプロジェクト「大人の本棚・こどもの本棚」で紹介されました。以下でどうぞ。
こどものとうひょう おとなのせんきょ
『ねんねしたおばあちゃん』(2005年ポプラ社)
小さな子どもは、だれが世話するのか。コロナ禍にあって、保育園が休園になってしまったり、家庭の中で感染がおきてしまったり、保育に関しても今までとは違う状況が出現しました。
この本が最初に出版されたのは1980(昭和55)年で、周囲の人々との間でおこる子どもの心の動きをとり上げた、当時としてもユニークな「こころのほん」シリーズの第2巻にあたります。
生まれたばかりのタミエちゃんの世話をするおばあちゃんの物語で、成長して活発になっタミエちゃんは、おばあちゃんのてをふりきって遊びに出かけようと家を飛び出した途端に交通事故に合います。おばあちゃんの応急処置の甲斐もあって、タミエちゃんの命に別状はなく、足の怪我の入院から戻ってきたある日、突然おばあちゃんが倒れてしまいます。
「保育のあり方が多様になった今なお、私たちに強く訴えかける」と静岡新聞書評欄で紹介されました。
静岡県磐田市の広報紙で『みずとはなんじゃ?』(2018年小峰書店)を紹介。以下でどうぞ。
みずとはなんじゃ?
『新版 科学者の目』(2019年童心社)
41人の業績、葛藤 簡潔に
静岡新聞のこどもかがく新聞は、科学に関する情報が満載です。[かがく図書館]コーナーで紹介されたこの本は、古今東西の科学者たち41人の科学者としての着眼点や研究方法、生き方などをわかりやすく深く解説する伝記です。物事をどう捉え、考えれば良いのか、あるいは生き方について考える時、この先人たちの歩んだ道は、こどもにも大人にとっても示唆に富んだものと言えるでしょう。
かこさとしは晩年、肩書を「絵本作家」でよろしいですかと聞かれると、作家というのは夏目漱石や芥川龍之介のような才能ある人たちのことで、自分はとてもそんな存在ではく「児童問題研究」をする者と言っておりました。
『だるまちゃんの思い出 遊びの四季』(2021年文春文庫)は、久留島武彦文化賞と日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した『遊びの四季』(1975年じゃこめてい出版)を底本に、加古によるカラーの挿絵や写真、エッセイや解説を加えたものです。もともと挿絵がほぼ各ページにあり、優しい独特の独特のタッチが内容を一層わかりやすいものにしています。
書評を書いた松永裕衣子氏は、その受賞時のかこの肩書きは「子どものあそび研究家」であることを紹介しながら「ページを開けば、当時の子どもらの元気な姿が目に浮かび、読めば読むほど味わい深く、心にしみるエッセイ集である。」とし、かこが伝えたかったのは、ただの郷愁ではなく遊びの中で身につけ、心に刻んだものであると本書の意義を読み解いています。
「かこさとし絵本展in豊岡」2021年7月17日〜9月26日
「コウノトリ舞う豊岡にだるまちゃんたちがやってくる!」
ポスターやチラシにこうあるように、豊岡はコウノトリの保護や繁殖を全国に先駆けて取り組んできましたので、本展示会の注目は『コウノトリのコウちゃん』(2017年小峰書店)の原画全場初公開です。この本は文、絵共にかこが手がけた最後の作品です。また、コウノトリをデザインした手ぬぐいの下絵もご披露致します。下絵の段階で、かこは亡くなってしまいましたが、これを元に手ぬぐいを作ることができました。
豊岡の豊かな自然に通じる『かわ』や『おたまじゃくしの101ちゃん』の伸びやかな絵もお楽しみいただけます。
詳しくは以下をどうぞ。
かこさとし絵本展in豊岡
2021年7月19日、神戸新聞で紹介されました。記事は以下でどうぞ。
神戸新聞
2021年8月1日、日本海新聞で紹介。以下でどうぞ。
日本海新聞
2021年9月4日兵庫県サンテレビ「コウノトリと共生する豊岡を描く 絵本の展覧会」
豊岡 コウノトリのコウちゃん他
2021年9月7日 NHK 兵庫県のニュース「かこさとしさん展覧会コウノトリ絵本の原画など展示」
NHKニュース
2021年7月23日 東京新聞(千葉版)でも紹介
市川市文学ミュージアム「かこさとし展 ーこどもは みらいにいきるひとー」2021年7月17日〜9月20日
ポスターやチラシにもあるように、市川市を走る小湊鉄道を舞台にした『出発進行!里山トロッコ列車』(2016年偕成社)の原画に注目です。
もちろん、「だるまちゃん」シリーズ(福音館書店)、『からすのパンやさん』(偕成社)やその続きのお話をはじめ、かこにとって大変思い出深い『わっしょいわしょいぶんぶんぶん』(1973年偕成社)からは展示会では初めてご覧いただく場面、それに『まさかりどんがさあたいへん』(小峰書店)もあるのですから、さあたいへんです!
まだまだあります。2019年の復刊以来、この本の虜になる人が急増している『サン・サン・サンタひみつきち』(白泉社)の全場面展示。これも初めてですから必見です。今からサンタ?と思われた方、今からすでにサンタはクリスマスに向けて一生懸命なんです。その秘密基地の様子を是非、じっくりご覧ください。
以下のMOEニュースでもご紹介しています。
市川市文学ミュージアム かこさとし展
市川市からの情報は以下です。
市川市文学ミュージアム
こちらもどうぞ。
市川市文学ミュージアム グッズ情報
2021年8月11日毎日新聞(千葉)でご紹介。以下でどうぞ。
毎日新聞 市川市文学ミュージアム
2021年8月24日 読売新聞(東京) かこさとし 市川で企画展
市川市文学ミュージアムで開催中の「かこさとし展 ーこどもはみらいにいきるひとー」を紹介、9月20日まで。
2021年9月9日 東京新聞 TOKYO Web みんなで絵本にワクワク 市川で「かこさとし展」 「小湊鉄道沿線の旅」原画など紹介
東京新聞
6月23日は沖縄・慰霊の日です。「モナ・リザ」で始まり「ゲルニカ」の紹介で終わる『美しい絵』(1974年偕成社)は、かこが自ら出版社に持ち込んで出版をお願いした経緯を持つ唯一の絵本で、2021年6月18日、ダ・ヴィンチニュースではこの本を紹介している『科学絵本の世界100』(2021年平凡社)を取り上げています。
『美しい絵』でかこはゲルニカの説明を次のように記しています。
(引用はじめ)
はげしい いかりや、
かわいそうな ひとを すくいたいという
いのるような 心を、
あらあらしい せんと、
かわった かたちと、
はいいろだけの 絵に こめたのです。
(引用おわり)
(尚、漢字にはふりがながあります。)
ピカソのように描くことはできなくても、絵に込められた思いを、絵を描いた人の心をくみとりたいと思います。
下は、『美しい絵』の裏表紙。若い頃のかこらしき人が嬉しそうにゴッホの絵を見ています。
この本の紹介があるのは、以下です。
美しい絵
かこさとしさんの原点凝縮 エッセー集文庫化
福井県越前市での野山遊びつづる
文春文庫として2021年5月に刊行された『だるまちゃんの思い出 遊びの四季』についての記事が、掲載されました。以下でご覧ください。
福井新聞 だるまちゃんの思い出
また6月19日には、愛媛新聞、秋田魁新報、沖縄タイムズでも書評が掲載されました。
教文館ナルニア国
東京・銀座にある子どもの本の専門店「教文館ナルニア国」さんによる本書の紹介は以下でお読みいただけます。
教文館 だるまちゃんの思い出 遊びの四季