お知らせ

本シリーズは、1981年に偕成社より刊行された『絵で見る 化学のせかい』シリーズ(6冊)のうち現在出版されている『世界の化学者12か月』(2016年偕成社)を除く5冊を大型化し、データを最新(2024年時点)のものに、時勢の変化に合わせて表現方法を変えるなどして改訂改題したものです。

この度の新版には『太陽と光しょくばいものがたり』(2010年偕成社)の共著者でもある藤嶋昭先生による解説も加わりました。

東京大学工学部で応用化学を学び博士、技術士(化学)でもある加古が親友である故・向山光昭先生の強い薦めで、子どもたちが化学を身近に感じて興味を持てるようにとの願いをこめて執筆した渾身の絵本です。犬のポチと猫のミケも登場して、わかりやすく、順を追って化学の世界を見ていきます。

2024年11月下旬の出版に先立ち、内容をご紹介いたします。

新・絵で見る化学のせかい①『原子と分子のたのしい実験』

以下の4つの大きな項目に分かれています。
1分子の発見:分子を見つける方法や、分子の3つの法則
2原子の冒険:分子、原子、イオンについてや元素記号の問題点など
3化学の探検:化学の探検に必要な器具など準備するもの、やり方について
4台所の実験:料理と化学の共通点など 

最後には美味しそうなものがずらりと並びます!

新・絵で見る化学のせかい②『なかよし いじわる 元素の学校と周期表』

1生徒もさまざま、先生もいろいろ
2かわった性質 周期の法則
3すてきな席順 元素の一覧

周期表という言葉を聞いたことがない方にも、元素の特徴を表すユニークな絵を見て、周期表が作られるようになるまでの大勢の先生たちのお話を読むうちに、この表の意義、重要性を知ることができます。

新・絵で見る化学のせかい③『化学の大サーカス 技術の歴史』

1さまざまな色 あざやかな色どり
2たねも仕掛けもかがくの魔法
3原子のスリルと 電子のはなれわざ
4びっくり化学の動物曲芸

化学技術の進化とともにさまざまな機械や道具が私たちの生活の中で役立っています。その基礎になっている、まるでサーカスのような目を見張る化学技術について名画を使いわかりやすく説明しています。

新・絵で見る化学のせかい④『地球と生命 自然の化学』

1 宇宙の誕生と生命の歴史
2青い地球と化学のいとなみ
3人間を守る化学のはたらき
宇宙の誕生から始まる地球の歴史を化学の視点から理解を深めることができます。DNAについても絵とともにその役割を解き明かしています。

新・絵で見る化学のせかい⑤ 『化学の未来 資源とエネルギー』

1社会の発展をめざして
2新しい資源をさがして
3新しいエネルギーをもとめて
4未来の化学工業にむかって
地球、そして人類の未来はどのようなものにしたらよいのでしょうか。SGGsの観点からも示唆に富む内容です。

漢字にはふりがながついていて、各巻32ページで巻末には索引もあります。

お子さんにも大人にも是非お読みいただきたい本シリーズ、お手にとってご覧いただけますことを願っております。

11月になると急にクリスマス、お正月が気になります。
プレゼントには、こんなカバーの『からすのパンやさん』はいかがででょうか。

本よりほんの少し小さいサイズのこの真っ赤なカバーをはずすと、いつもの『からすのパンやさん』です。つまりこの本にはカバーが2枚あるようなものです。

気に入っていただけたら嬉しいです。

藤沢市内の4市民図書館と市役所本庁舎1階に、季節ごとに加古作品の複製原画を展示させていただいています。

新しい絵はクリスマスにちなみ『サン・サン・サンタのひみつきち』(2019年白泉社)と同じような綺麗な青が印象的な『地下鉄のできるまで』(1987年福音館書店)の前扉、そして『こどもの行事 しぜんと生活』の11月のまき表・裏表紙(12月には12月のまき)です。

クリスマスごろまで展示の予定です。お近くにお越しの際は、是非ご覧ください。

藤沢市役所、図書館の絵

2024年11月2日毎日新聞【なつかしい一冊】コーナーで紹介されました。

川が高い山に端を発して、小さな流れがやがて岩を削り、森林を抜け平野を潤し、町中の流れて広い海に注ぎ込むまでを俯瞰するこの本には、水の流れ、それぞれの流域で暮らす人々の生活、それを支える、ダムで発電された電気の流れが送電線通って多く町や工場にまで届けられるまでを描いています。

材木を運ぶトロッコ、牧場、川原で遊ぶ子どもや川にかかる橋。地形や建物が表紙の地図で描かれていますが、これは加古自身が本の絵の内容にあうよう正確にかいたものです。

この本の出版当時は公害問題で多くの河川が汚水で色が変わるほどでした。初版発行から半世紀以上を経て、ようやく川本来の姿に戻ったため、2016年のこの全てのページをつなげた『絵巻じたてひろがるえほん かわ』が出版されたのを機に、『かわ』のp24の文言「まちの ごみや きたない みずが ながれこんで、かわは すっかりよごれてしまいました。」を削除しました。

是非この絵本を読みながら、川に沿った小さな旅をお楽しみください。

金沢大学附属病院口腔外科の先生による記事【かみ合わせ(下) かむ力鍛え認知症予防 虫歯や歯周病、歯並びに影響】で、各項目についての説明があり「歯の健康について知るために」『はははのはなし』を推薦。「歯の不健康が全身に及ぼす影響が分かりやすい言葉で書かれている。」とありました。


11月8日は「いい歯の日」、年齢問わず歯を大切にしたいものです。

はははのはなし

1975年童心社から出版された紙芝居「ひよこのろくちゃん」の絵を提供してくださった瀬名恵子さんがご逝去されました。

加古がご一緒させていただいた唯一の作品です。

6羽のひよこの中で主人公のろくちゃんだけはチェックの服を着ていてほかの5羽と簡単に見分けることができます。

いたずらなろくちゃんは、お散歩の途中で、かえるとにらめっこしたり、とかげを追いかけたり。つついたのがのらねこごろべえのしっぽっだから大変です! あわやというところで母さん鳥が現れてごろべえに立ち向かいます⋯

『未来のだるまちゃんへ』(2016年文藝春秋)が文庫になる際、巻末6ページの「解説」をお書きくださった中川李枝子さんが亡くなられました。

加古が20代半ば、川崎でセツルメント活動を始めた1950年代、その川崎のセツルメントにもいらしてくださったことがこの解説に書かれています。

筆者が幼い頃から親しんだ絵本をつくられ、加古と同世代で絵本の世界で活躍された方とそんな昔に接点があったとはこの解説を読むまで長い間知らずにおりました。

心よりご冥福をお祈りいたします。