編集室より

餅つき・もち・モチ

投稿日時 2020/01/07

この場面で終わった前回のお約束通り、お餅がテーマです。『こどもの行事 しぜんと生活 1がつのまき』(2011年小峰書店・下)には、各地のお雑煮がならび、味付けや具材、そして丸もちなのか角もちなのかが◯ 🔲で描かれ、なぜお正月にお雑煮が食べられるのか説明があります。

それによると
「むかしの人にとって、もちはながいあいだくさらずにおいしくたべられるので、たいせつなたべものでした」
とあります。

臼と杵でついた、つきたてのお餅の美味しさは格別ですが、かこが杵を振り上げてついたことが一度だけあったのを覚えています。ちょうど上の絵、『ことばのべんきょうくまちゃんのいちねん』(1971年福音館)にあるような感じ、かこの母が餅をこねて、今から半世紀以上も前のことですが、その石臼は今でも庭の片隅にあります。

『かこさとしのたべものえほん1 ごはんですよ おもちですよ』(1987年農文協・下)という絵本もあります。絵はかこによるものではありませんが、この本でも杵つき、のしもち、鏡もち、草餅、ちまき等が描かれ、お米の作り方、お米を使った料理メニューも紹介されています。

筆者が小学生だった半世紀も前、お雑煮にお餅をいくつ入れたとか、お餅を幾つ食べたとか、数を友だちと競っていたことがありました。

真空パックのお供え餅やのし餅が登場する前は、ヒビの入った鏡餅をわるのに苦労したり、のし餅を切って水もちにして保存していたかこの姿が記憶に残っています。

かこ作品の中でお餅と言ったら一番に思いつくのは、下の場面かもしれません。
だるまどんが湯気をふきながら「ぺったら ぺったんおもちをついて」

できあがあったのは、てんぐちゃんの鼻にも負けない長〜い鼻。おばあちゃんが伸ばしている(下)これから作ったのでしょうか。。。?

最後にもう一つ、忘れてはなりません。『からすのパンやさん』のパンがずらりと並んだあの場面にもありましたね、おそなえパン。

かこさとしの肖像

投稿日時 2019/12/07

上は1970年代前半にかこさとしが描いた小さな自画像ですが、この度かこさとし49歳(1975年)の肖像写真が一冊の写真集に収められました。写真家・田村茂氏による『素顔の文士たち』(2019年河出書房新社・下)。膨大なネガから八年の歳月をかけて、田村眞生さんが茂氏三十三回忌に当たる本年出版されたものです。

あとがきによると茂氏は、この写真集の表紙を飾る太宰治の写真を撮影したことで知られていますが、それが代表作ではないとのこと。本の帯には〈骨太で存在感あふれる昭和の「顔」〉とあります。

志賀直哉、藤田嗣治、牧野富太郎、松本清張、三島由紀夫、湯川秀樹、川端康成、高村光太郎、谷崎潤一郎、手塚治虫、武者小路実篤。。。名前をあげればきりがない八十人の文士たちの顔には、今の時代には見かけない何かがあり、見入ってしまうほど惹きつけられます。

手にしているもの、着ているもの、背景、それら全てが、そこにいる人を知る手がかかりになりますが、その顔にまさるものはありません。モノクロの世界でありながらその陰影には色では伝えられないものを表現しているから不思議です。

写真のかこはいつもの書斎に座り、右手にペン、ブリューゲルの画集をひろげ模写しているのは1560年に描かれた「子供の遊戯」。その絵はその年1975年8月に出版された『こどものカレンダー9がつのまき』(偕成社・下)9月5日のページに掲載されています。その日はオランダのブリューゲル村出身でその名を名乗ったブリューゲルの命日です。本文には次のようにあります。(原文はたてがき、漢数字にはふりがな)

(引用はじめ)
いまから 四00ねんも まえにえがかれた こどもたちの あそびの えをまねて えがきました。

いろいろなあそびが あって おもしろいでしょう。
あなたが している あそびと おなじのが ありますか?
(引用おわり)

最後の二文は遊ぶこどもの姿の隙間を縫うように書かれています。
ブリューゲルの画面には木登りをする男の子、鉄棒、竹馬、箒を手のひらの上に立たせてバランスをとっている子、馬とび、鬼ごっこ、お手玉、おみこしとおおよそ子どもたちがやりそうなことが描きこまれています。かこはそれらを模写しながら、きっとニヤニヤして「ああ、やっとる、やっとる」と心のなかで繰り返していたことでしょう。

写真集の中のかこの瞳はサラリーマンを退職し、これから思い切り創作に向かう意気込みで光っています。緑内障で見えなくなる前のこの輝きを見ていると胸があつくなってきます。機会がありましたら是非この写真集を手にとってご覧下さい。私の言葉では伝えきれない多くがそこにはあります。

ネズミ

投稿日時 2020/01/01

明けましておめでとうございます

2020年は干支頭のネズミ年にあたりますので、ネズミ探しから始めましょう。
おめでたいイメージの『だるまちゃんとだいこくちゃん』では、この二人の様子を見守り、一緒になって心配したり喜んだりで、ネズミちゃんは愛らしさ満点です。

『たっくんひろちゃんの ちょうちょうとっきゅう』(1973年小峰書店)の表紙(上)で列車の先頭、お話の中(下)では最後尾にいるねずみくんは、小さいながら大きな表情で物語を盛り上げています。

『にんじんばたけのパピプペポ』(1973年偕成社)では、こぶたたちから人参を取り上げる悪役として「ねずみどん」が登場しますが、最後には、にんじんをもらってすっかり元気になり手伝いに精をだします(下)。

その続編『パピプペポーおんがくかい』(2014年偕成社)では、ねずみの「チマちゃん」がなわとびで見事な飛びっぷりを披露している姿に目が釘付けです。

『ことばのべんきょう 1 くまちゃんのいちにち』のねずみちゃんは猫にじゃんけんで勝ったり、大きなうさぎさんを泣かせたり、イタズラですが憎めません。

ネズミが主役の絵本の筆頭は残念ながら絶版の『ねずみのしょうぼうたい』(1985年 偕成社・下)です。

このネズミたちの表情は非常に説得力があり、その目力は大変なものです。小学生の頃から火災予防のポスターを描いては賞をいただいていたという、かこさとしだけあって迫力があります。

紙芝居にもネズミが主人公のものがあります。『バンちゃんねずみとミミンガー』(1986年全国心身障害児福祉財団・1995年『ばんちゃんの大ぼうけん』に改題、表紙を含めて14場面・下)は、お父さんお母さんの言うことを聞かないねずみのバンちゃんが怖いミミズクのミミンガーに遭遇。ところがそのミミズクは目がわるく怖いどころか、不思議な木の葉をくれます。バンちゃんはその葉の力でみんなを助け、めでたし、めでたしというお話です。

『ばあばねずみじいじねずみ』(2001年全国心身障害児福祉財団、表紙を含めて12場面・下)は、かこ自身がじいじと呼ばれるようになった頃の作品で、年老いたねずみ夫婦がのんびり旅を始めるのですが最後に思いもよらぬ大ぼうけんをして安住の地を見つける物語です。

人間で描くとえげつなくなってしまうのでネズミに任せている物語もあります。「かこさとし お話こんにちは」という各月ごと12ヶ月にちなんだ絵入の読み物シリーズが1979年偕成社から出版されました。現在は絶版ですが、この4月の巻(上)におさめらている、長屋の花見ならぬ「ねずみの花見」(下)は、大賑わいのねずみたちが登場。

同シリーズ12月の巻には「ふとっちょネズミ」。この主人公ふとっちょネズミは、会社の社長で、金儲けの悪巧みに使う社員を募集。どちらのお話も猫が登場してオチとなります。

クマにしてもネズミにしても実際は人間に害を及ぼすこともあるわけですが、物語や絵本では、どうしてこんなに可愛くなってしまうのでしょう。

画面がねずみ色になってきてしまいましたが、最期の一枚、下の絵はおそらく1980年代に描かれた5センチ四方に満たない小さな挿絵、ネズミの餅つきです。ということで、次回はお餅をテーマにご紹介致します。

2019年をふりかえって

投稿日時 2019/12/13

今年も多くの皆様にお世話になりありがとうございました。十大ニュースではありませんが、たくさんの初めてがあった2019年を振り返ります。

初めての詩集『ありちゃん あいうえお(講談社)出版

大正15年に生まれ昭和、平成を生きたかこにとって、かこさとしの名前で出版する最初の詩集のお話をいただいたのは、亡くなる直前でした。

いつ何時でも言葉を探し、拾い集め、楽しんでいた、かこの「あいうえお」は小さなお子さんが耳で覚えてしまい、わざわざ「あいうえお」を覚えさせなくても大丈夫との反響をいただきました。読み聞かせ、読み語りの第一歩におすすめです。

孫が可愛くて仕方ない「おじいちゃん」の気持ちを書き留めた詩は、あなたの心にどのように響くでしょうか。

初めての全国巡回展・公式図録

かこの存命中から打ち合わせをしていた全国巡回展をいよいよ始めることができました。
3月、生まれ故郷の福井県越前市を皮切りに夏にはひろしま美術館、そして秋、大丸ミュージアム京都を巡り、大勢の皆様がご来場、熱心にご覧くださいました。2020年は、八王子市夢美術館、松坂屋美術館(名古屋)をはじめ各地を巡る予定です。

初めての美術番組 NHK「日曜美術館」

多くの教育番組やニュースに登場させていただいた、かこですが「日曜美術館」に、しかも美術というより科学に関しての生命図譜(上・撮影スタジオにて)に焦点を当てて取り上げていただくという大変ユニークな構成となりました。

ユニークといえば、NHK「サラメシ」で思い出いっぱいのお弁当が紹介されたのも今年でした。

初めてのDVD発売

2018年にNHKで放映された「プロフェッショナル」がDVD化され発売されました。かこ史上初めてのDVD発売です。特典映像として番組の中で登場した『みずとはなんじゃ?』が出版された時のニュース映像も入っています。

初めての、かこのいないお正月

2019年の年頭は、新年の晴れやかさも遠い世界のことのようで加古総合研究所では『かこさとしの世界』のための写真撮影が進んでいました。例年なら、床の間にお正月飾りをしつらえ、お屠蘇で祝い記念写真を撮影するのが元日の慣わしです。それは叶いませんでしたが、こうしてこの一年、初めてのいろいろなことができたのは、かこさとしの作品を愛してくださる多くの皆様のおかげです。この一年を振り返り心より感謝もうしあげます。どうか皆様、佳き新年をお迎えください。

年賀状

投稿日時 2019/12/05

いよいよ年賀状の準備をしなければ、という季節になりました。昭和、平成、そして令和と時代はかわってもお正月に年賀状を手にするひと時は嬉しいことにかわりありません。

配達してくださる方々にはご苦労ですが、そんな話題が出る頃にお子さんたちに読んでいただきたいのが『ゆうびんです ポストです』(2017年復刊ドットコム・上・下)

ポストに投函された郵便物が様々な交通手段で遠方に届く仕組みが小さなお子さんにもわかる絵本です。この本の終わりの方で、おとうさん、お母さん、お兄ちゃんに宛てた年賀状が妹のさわこちゃんから届くくだりがあります。加古は年賀状をお出ししていた若い頃、自分への年賀状を出してどのタイミングで到着するのかを調べていました。

『ことばのべんきょう 2くまちゃんのいちねん』(1971年福音館書店)の12月、消防活動の脇に赤いポストがあり(上)、1月くまのおとうさんは掛け軸の前で年賀状を読んで(下)いい表情です。

『こどもの行事 しぜんと生活 1月のまき』(2011年小峰書店・下)には、「年始まわり」にかわって明治時代から年賀状が、そして「きんねんではでんわやメールであいさつをすることもあるようです」とあります。

さてさて新しい時代、どんな年賀状にしましようか。郵便局では昨年に続き、えほん年賀状で今年は「からすのパンやさん」の図柄を販売しているようです。

加古里子の文体

投稿日時 2019/11/29

子どもさんが読む絵本をつくるとき、それが科学絵本であれ、童話であれ、わかりやすく伝えることに、かこは腐心していました。これは、かこに限ったことではなく、言葉で表現する際、多くの人がすることでしょう。

「子どもさんの理解の輪の中で」という表現をかこは好んで使っていました。子どもさんたちに身近なことから始め、理解できる範囲を少しずつ広げ深めながら丁寧に説明していけば一見難しく見える事柄でも理解できるようになるという考えです。したがってその時には、子どもでも知っているやさしい言葉を使うことになります。

ところが、かこの私信では、あるいは大人向けの文章では、全く違う言葉使い、文体となります。一体どんなものかというと『14歳の世渡りシリーズ 世界を平和にするためのささやかな提案』(2015年河出書房新社)をお読みいただければすぐにわかります。

この本には22人の提案が収められているのですが、かこは「10代諸氏への委任状」という題で5つの提案をしています。5ページほどですから分量としては、ささやかかもしれませんが、濃く重い内容です。

「10代は最も清新な、穢れ・汚濁・塵芥に染まぬ人間の有意義な境地なのだから、ひるむ事なく同志としての呼びかけを記述する事にした。」
と述べ、4番目の提案では

「これ迄の戦争戦乱の裏には、資源、交易、市場等の経済情勢が関係しており、資源、エネルギー、食料等の再生循環は限界に拘わらず、今猶各国政府は経済第一に固執し、それがまた前記の飢餓と人口問題を更に悪化させている。」と書いています。

そして5番目の提案のあと、最後にこう結んでいます。

「私が10代の折、未熟独断妄想のまま軍人を志望した後悔贖罪の為、20歳以後密かに求め歩んできた事項で、60年の微力活動も未達となっているもの。次世代の同志への遺言的委任状なのである。健闘を祈るや、切。」


14歳も一人前の人間、という認識があってのかこの提言を受けとめていただければと思います。

クリスマスの絵本

投稿日時 2019/11/19

本屋さんの棚にクリスマスコーナーができて、『だるまちゃんとうさぎちゃん』が並べられているのを見かけました。

この本や『マトリョーシカちゃん』は雪の場面がありますのでその連想ですね。

2019年秋、装い新たに白泉社から刊行された『サン・サン・サンタ ひみつきち』(上・表紙、下は裏表紙)は、クリスマスの朝にプレゼントが届く訳をお子さんにも納得いくように語る夢あふれる物語です。プレゼントのおもちゃは、実はリサイクルによって作られたものというところが、リサイクルやエコという言葉が使われるずっと前からリサイクルを心がけていた、かこらしい発想でもあります。

この本は「コドモエ」12月号〈ページをひらけば ほら、クリスマス〉コーナーでも紹介されています。

クリスマスツリーを飾るのは場所もとるし手間も大変という方、この一冊を飾ってみてはいかがでしょうか。

越前市のだるまちゃん広場では今年もクリスマスイルミネーションが始まりました。図書館脇にあるもみの木は、『きれいなかざり たのいまつり』(1987年 福音館書店)をイメージして植えられています。

この本はクリスマスツリーの根から木の先端までを飾る様々なものが描き出されていて全場面がつながると高い一本の見事なクリスマスツリーにるようにできています。

『かわ』が横に伸びるのに対してこれは縦に伸びる一冊の絵巻じたてできるのです。来年の今頃には絵本として復刊されていることを願ってやみません。

『きれいなかざり たのしいまつり』の最後をご紹介します。
(引用はじめ)
あなたに しあわせ くるように いのって このひ すごします
こころ ゆたかに やすらかに ほしふる よるを すごします
(引用おわり)

災害の多い今年でしたが、どうか心豊かにやすらかにお過ごしください。

大丸ミュージアム京都での展示会は盛況のうちに終了しましたが、加古の原画(複製)がご覧いただける場所が越前市ふるさと絵本館以外でもあります。

藤沢市南図書館(小田急SHONAN GATE6階 )では、あらたな絵を展示中(2019年末までの予定)です。ご覧いただけるのは新そばの季節に合わせ『からすのそばやさん』(2014年偕成社)、『ことばのべんきょう3 くまちゃんのごあいさつ』(1972年福音館書店)、『でんせつ でんがらでんえもん』(2014年復刊ドットコム)、そして大人にもお読みいただきたい『大地のめぐみ土の力大作戦』(2003年小峰書店)からそれぞれ1場面です。

特に『大地のめぐみ土の力大作戦』は、台風で田畑にも大きな被害が出てしまった今年、大地の重要性を改めて認識できる1冊で、ミレーの名画をモチーフに目で見てわかりやすいよう工夫されている科学絵本です。

他の3枚は、描かれている登場人物や動物の豊かな表情を味わっていただけたらと思います。

また市役所本庁舎1階のロビーに展示されている絵は、小さなこどもと動物がならぶ『かぜのひのおはなし』(1998年小峰書店)です。機会がありましたら是非ご覧ください。

マリー・キュリーと科学者

投稿日時 2019/11/22

小学生のとき、伝記を読む宿題が出た私は父かこさとしに相談したところ、早速一冊のハードカバーの本を買ってきてくれました。それが「キュリー夫人」。当時はそのように呼ぶことが多かったように記憶しています。(上の写真は『世界の科学者12か月』より)

研究者としての熱意と努力、真面目で優しく、つつしみ深い人柄、しかも悪には毅然とした態度を貫く強さは、ノーベル賞を2度も受賞した科学者のかがみであるとともに人間としても素晴らしく尊敬に値するものだということが子供心にわかりました。

そのマリー・キュリーを紹介する展示会が開かれるそうです。題して「マリー・キュリーの科学への情熱展」。2019年が、メンデレーエフが元素の周期律表を発見して150周年の記念の年であり開催されるものです。(下の写真はかこさとし『科学者の目』でメンデレーエフを紹介しているページ)
展示会については以下にあります。

マリー・キュリー

マリー・キュリーに関しては冒頭の写真にあるように『世界の化学者 12か月』(2017年偕成社)の11月でマリーとその家族の功績を紹介していますが、まもなく12月、ノーベル賞の授賞式がおこなわれます。

『世界の科学者12か月』の』10月ではノーベル賞受賞者の福井謙一博士を、12月では2019年受賞の吉野彰博士が化学に目覚めるきっかけとなった「ろうそくの科学」とその著者ファラデー(写真・下)についても書いてあります。

今年刊行された『科学者の目』(2019年童心社)には残念ながらマリー・キュリーはとりあげられていません。その理由を加古は、あまりに有名でよく知られているのであえて登場させなかったと申しておりました。『科学者の目』は、もともとは新聞に掲載するために書かれたもので古今東西の41人の科学者について、その人間模様をも伝えるものです。

2019年10月20日発行の『子どもと読書』(11・12月号)の書評では「頑張れば自分も科学者になれるかもしれないと、科学への興味とあこがれを抱かせてくれる本」と評されています。

『科学者の目』の前書きでかこさとしは次のように語っています。
(引用はじめ)
古来からすぐれた科学者たちは、めぐまれない人びとのため、科学の力が役立つようさまざまな苦心をし、努力をかたむけてきました。それを知ってほしいと思って書いたのがこの本です。
(引用おわり)

科学者の人間としての生き方を是非お読みください。