上の写真は、「だいこんだんめん れんこんざんねん」(1984年福音館書店)の後扉です。
大根やレンコンなど身近なものの断面図からこうして最後には地球まで見せてしまう科学絵本ですが、たくさんいるのは猫の親子。どうしてここで猫が登場するかというと、お子さんにとっては難しい断面という見方の大切さを伝える楽しくわかりやすい一例として本文中にでてくる出来事に関係しているのです。
同じく福音館発行の「かがくのとも でんとうがつくまで」(1970年)では表紙に犬、裏表紙に黒猫がいます。(下の写真)
かこさとしの動物好きは読者の皆さんがお見通しですが、絵本に登場する猫をもっと探してみましょう。
デビュー作「ダムのおじさんたち」(1959年福音館書店)にいます。おじさんたちが飯場で昼休みのひと時を過ごす場面に白い可愛い仔猫。この一匹がいることでおじさんたちが休憩時間にねこをかわいがる様子が目に浮かんできます。科学絵本でありながら、このような場面に一匹のねこを描くことでさらに人間味が感じられ物語性の厚みが増すように思います。
「あそびずかん」(2015年小峰書店)でも黒猫が子どもたちのあそびの場面に一緒にいます。写真は「あそびずかん はるのまき」の表紙(一部)です。
家族が登場して絵本が展開する場合、家族の一員として名前のある猫が出てきます。「こどもの行事しぜんと生活」(2012年小峰書店)では家族全員が節句や季節などに関係ある名前で、2月生まれのねこはアル。(下の写真・4月のまき)2月22日はねこの日だそうですが、加古は中国語の数字の2の発音からこう名付けたようです。アルも黒くて赤いリボンで、元気いっぱいです。
「かぜのひのおはなし」(1998年小峰書店)で子供達と仲良しなのはトラ猫(下の写真)です。
この猫とそっくりなのが当サイト[作品によせて]で第1巻「ご飯 みそ汁 どんぶりめし」をご紹介した「かこさとしの食べごと大発見」10冊シリーズに登場する皿田家のねこで、その名はラムです。
上の写真は、「かこさとし 食べごと大発見4 うれしいフライ 天ぷら天下」で活躍するラムねこ。この「食べごと発見」シリーズの表紙は、食べ物と絵本に登場する皿田家のひとびとがミニフィギュアで写っているのですが、このフィギュアは紙粘土を着色したかこさとしによる制作です。ラムねこちゃん(下の写真)は高さ5センチほどの小さなものです。
まだまだたくさんのページに登場するねこ探し、一度にたくさん見つけたい方に耳よりな情報を一つ。動物が465匹描かれているとあとがきにある「わっしょい わっしょい ぶんぶんぶん」(1973年 偕成社)をお忘れなく。