編集室より

かこさとしの90年を集約した本書は、初公開のものを含め豊富な写真で作品とその創作にこめたねらいや願い、背景を深く探り時系列で浮き彫りにします。加古作品に流れる人生観、哲学がわかり易く紹介されているのが魅力です。

野村萬斎氏との対談や古くからの友人、作家・加賀乙彦氏や美術史家・辻惟雄氏によるエッセイに加え知人や家族による文章は、かこさとしの知られざる一端を垣間見ることができるでしょう。

写真入り略年譜、完全最新版著作リストは資料としても貴重で、絵本館情報も掲載され、まさに完全保存版というべき1冊です。

ねこ

投稿日時 2017/02/25

上の写真は、「だいこんだんめん れんこんざんねん」(1984年福音館書店)の後扉です。

大根やレンコンなど身近なものの断面図からこうして最後には地球まで見せてしまう科学絵本ですが、たくさんいるのは猫の親子。どうしてここで猫が登場するかというと、お子さんにとっては難しい断面という見方の大切さを伝える楽しくわかりやすい一例として本文中にでてくる出来事に関係しているのです。

同じく福音館発行の「かがくのとも でんとうがつくまで」(1970年)では表紙に犬、裏表紙に黒猫がいます。(下の写真)

かこさとしの動物好きは読者の皆さんがお見通しですが、絵本に登場する猫をもっと探してみましょう。

デビュー作「ダムのおじさんたち」(1959年福音館書店)にいます。おじさんたちが飯場で昼休みのひと時を過ごす場面に白い可愛い仔猫。この一匹がいることでおじさんたちが休憩時間にねこをかわいがる様子が目に浮かんできます。科学絵本でありながら、このような場面に一匹のねこを描くことでさらに人間味が感じられ物語性の厚みが増すように思います。

「あそびずかん」(2015年小峰書店)でも黒猫が子どもたちのあそびの場面に一緒にいます。写真は「あそびずかん はるのまき」の表紙(一部)です。

家族が登場して絵本が展開する場合、家族の一員として名前のある猫が出てきます。「こどもの行事しぜんと生活」(2012年小峰書店)では家族全員が節句や季節などに関係ある名前で、2月生まれのねこはアル。(下の写真・4月のまき)2月22日はねこの日だそうですが、加古は中国語の数字の2の発音からこう名付けたようです。アルも黒くて赤いリボンで、元気いっぱいです。

「かぜのひのおはなし」(1998年小峰書店)で子供達と仲良しなのはトラ猫(下の写真)です。

この猫とそっくりなのが当サイト[作品によせて]で第1巻「ご飯 みそ汁 どんぶりめし」をご紹介した「かこさとしの食べごと大発見」10冊シリーズに登場する皿田家のねこで、その名はラムです。

上の写真は、「かこさとし 食べごと大発見4 うれしいフライ 天ぷら天下」で活躍するラムねこ。この「食べごと発見」シリーズの表紙は、食べ物と絵本に登場する皿田家のひとびとがミニフィギュアで写っているのですが、このフィギュアは紙粘土を着色したかこさとしによる制作です。ラムねこちゃん(下の写真)は高さ5センチほどの小さなものです。

まだまだたくさんのページに登場するねこ探し、一度にたくさん見つけたい方に耳よりな情報を一つ。動物が465匹描かれているとあとがきにある「わっしょい わっしょい ぶんぶんぶん」(1973年 偕成社)をお忘れなく。

かこさとしの生まれ故郷・福井県越前市で生育されている天然記念物コウノトリをモチーフに豊かな環境を守り、コウノトリとともに暮らす子どもたちや人々を情緒豊かに温かな視線で描くフィクション。舞台となった地域にとどまらず人間と生き物の共生、地球規模での環境について考える入り口となります。
見返しには、日本・世界でのコウノトリについても書かれています。
あとがきをご紹介します。

あとがき

(引用はじめ)
コウノトリは、白と黒のつばさをひろげ、赤く長いあしをそろえて飛ぶすがたがとてもきれいです。水辺の魚や虫、カエルなどをえさにする、人なつこい大型の鳥です。それで日本でも海外でも、幸せや赤ちゃんを連れてくる鳥として、親しまれてきました。

しかし、自然がうしなわれ、えさが少なくなったため、住むのにてきさないところが増えて、世界中のでコウノトリの数が少なくなりました。コウノトリが住めるようなよい場所にしようと兵庫県豊岡市、福井県越前市の白山・坂口地区などでは、熱心な努力がおこなわれています。

この絵本は、コウノトリが飛んできて住みたくなるようなところは、人間の生活にもよい自然と環境なので、そうしたよい状況を守り、地球の生物がともに楽しく平和にくらせるようにとのねがいをこめて、つくりました。

もし読者のみなさんに時間がありましたら上記の地区の方々努力されているようすをみていただきたいと思います。
(引用おわり)
尚、全ての漢字にはふりがながありますが、ここでは省いています。

2017年2月14日より開催している「かこさとし展」に行ってきました。
4階の静かな空間に「出発進行! 里山トロッコ列車」(2016年偕成社)の全原画と絵本用ではなく小湊鉄道広告用に描かれたデイーゼル機関車の絵や、おなじみ「だるまちゃんとてんぐちゃん」「宇宙」「かわ」(福音館書店)「からすのパンやさん」(偕成社)の複製原画が並びます。

かこさとしのインタビューや小湊鉄道の映像も見ることができます。

だるまちゃんやてんぐちゃん、絵本に登場するうちわ(越前和紙)の他に、かこさとしが使っていた筆記用具、「出発進行!里山トロッコ列車」5ページに描かれているタブレットや硬券切符、かこさとし特集MOE3月号なども陳列しています。
2017年3月20日まで。休廊は月曜日で詳しくは本サイトお知らせ・展示会情報をご覧下さい。

かこさとしあそびの本シリーズ5冊のご紹介も本作「しらない ふしぎな あそび」(2013年復刊ドットコム)で最後です。
2000年前からあるギリシャの石けりからはじまり、この本には、ペルーのじんとり、世界中にある竹うまやけんだまあそびなど、しらないあそびやふしぎな錯覚あそびなどが満載です。何百年も前にインドで考えられたというあそびやヒンズーのすごろくは、きっと大人でも見たこと、聞いたことがないことでしょう。

前扉(下の写真)には次のように書かれています。
(引用はじめ)
がいこくには めずらしい しらないあそびがたくさんあります。にっぽんにも ふるくからつたわる ふしぎなあそびがいろいろあります。 これはそうした せかいとにっぽんをつなぐ、あそびの本です。
(引用おわり)

あとがき

あとがきを記します。
(引用はじめ)
この遊びの本も、ようやく最終巻を見ていただけるようになりました。おさめられたあそびの数は、数え魔の下の娘の計算によると、第1巻 89 第2巻99 第3巻102 第4巻127となっていますので、この最終巻156を加えると総計573種ということになります。今まで子どもの遊戯やあそびをまとめた本は、けっして少ないわけではありませんでした。しかし私はこの5冊の本で
1)主人公である子どもの心と考え
2)まわりをとりかこむ条件やふいんき
3)健康で進歩的で発展的な内容
を、特に大事な軸としました。私の知っている限り、上の3つの点を全部配慮してある本は見当たらなかったように考えたからです。

子どもたちは遊ぶことが大すきですが、けっしてあそんでだけいるものではありません。しかも、正常であればあるほど、あそびは子どもたちの生活と色濃く結びついています。

ですからまったく子どもたちの生活の他の部分をぬきにしたり、無視して、あそびだけをきり離して論じたり、解説する「静的」な取り扱い方をわたしはしませんでした。よくお正月などに放送されるわらべうたや手まりうたが、声はきれいだが、ちっとも面白くないーーーすっかり生き生きした子どもらしさが消えさってしまっているーーーのをおそれたためであります。

したがって、このほんの内容をできるだけ生きた形でつかまえ「動的」に応用しながら、家庭や校庭でいかしていただきたいというのがわたしの願いです。

さいごまでよんでいただいた皆様と、わたしのこの5冊をまとめるのに、生きた資料をわたしに教え、考え、はげましてくれた全国の子どもたちにつきぬお礼をおくらせていただきます。では、お元気で さようなら。
(引用おわり)

あそびの大惑星10冊シリーズは以前に第1巻をご紹介をした時に、なぞなぞから始まる本とお伝えしました。9冊め「あそびの大惑星 9そろった わになったのあそび」(1992年農文協)冒頭には、こんななぞなぞがあります。
(引用はじめ)
〈なぞなぞ もんだい だい1ごう〉
ごにん そろって どうくつ たんけん
いりくち はいるとすぐにばらばら
ゆきどまり あなに もぐってしまうもの な~んだ?
(引用おわり)

ヒントを特別に。上の表紙写真の中にこたえがあります。

この本の副題は[遊びの冒険司令塔]で〈そろった ならんだ きしゃぽっぽ〉遊びから始まり、輪になっての遊びやイタズラのいろいろ。そして冒険といえばといえば〈ぼうけんきち〉(下の写真)。

なかなか難しい〈なかまちがい・まぎれこみ〉や〈じゅんじょちがい・ばしょちがい〉に〈ゆきのけんきゅう〉〈こおりのついきゅう〉と大人も知らない雪や氷の呼名が多数並び最後には〈ちきゅうのもんだい かんきょうのなぞついせき〉といった地球とそのまわりの宇宙の環境問題にも目を向けます。(下は本の最終場面の一部)

ところで、冒頭のなぞなぞの答えは、手ぶくろです。
あとがきをご紹介します。

大きな満足と自信の機会

(引用はじめ)
輪を作ったり、並んだりして遊ぶのは、少なくとも2人以上の仲間が必要です。仲間がふえると楽しさも大きくなるものですが、さりとて統率された「集団あそび」で外見はよくても、各人好みやムキフムキが活かされない時が多いものです。しかし例えば地域の伝承行事やクラスの自治文化祭など、異なった個性と相違点が、真の協力と団結のくさびとなり、混成集合の成果を自分で体得し、「ヤッタ」という満足と自信は、すばらしいみのりをひとりひとりに与えてくれるものです、是非そんな機会の活用を!
(引用おわり)

2012年に小峰書店より刊行された「こどもの行事 しぜんと生活」は各月ごとの12巻のシリーズです。

2月の巻には、節分、豆まき、針供養、初午、バレンタインなどや、ツバキ、ウメの花、天神さまなどについて楽しくわかりやすく書かれています。

なかでも〈うるう年、うるうのひ〉〈2月がみじかいのはなぜ? 一週間が七日のわけ〉という項目では、徹底的にその理由を解説していますので、お子さんに説明する大人にも大変助けになります。
あとがきをご紹介します。

2月のあとがき

新旧の暦と天体のうごき

(引用はじめ)
カレンダーや学校の行事など、みな太陽暦(新暦)なのに、各地の行事の中には、旧暦やひと月遅れでおこなわれているものがあります。すべて新暦にすればいいのにという意見もあります。

むかしの人たちは、月の満ち欠けを用いて昼と夜の時間や四季の変化をたくみにはかり、まちがいのないように工夫をして、農耕や生活を実行していました。

この旧暦と新暦の関係と違いを知ることは、太陽・地球・月のうごきを正しく知る機会となります。昔の暦などと思わずに、宇宙と人間の生活をかんがえるきっかけにしましょう。
(引用おわり)

尚、本文は縦書きで漢字のすべてにふりがながあります。

かこさとしおはなしのほんは、加古がセツルメント活動でこども会を指導していた時に生まれた紙芝居をもとにしています。そのシリーズの一作目、「あおいめ くろいめ ちゃいろのめ」(1972年 偕成社)をご紹介します。

あとがき かこさとし

(引用はじめ)
半分はおせじでしょうが、この作品をみた友人が「フランスかどこかのほん訳ものかと思った」といってくれたことがありました。しかし、この作品の誕生は、ちょっと変っているのです。
いまから11年まえ、そのころはわたくしも若く、指導していた川崎の子ども会も活気にあふれていました。その子ども会の、あそんだり、お話をしたり、子ども新聞をつくったりする課目のひとつに、絵の指導がありました。

労働者の家の子らしく、あくまでたくましくてガサツな子や、どこでどうまちがって教えられたのか、決して紫をつかわない子や、絵をえがかずにわたしの背中によじのぼってくる子どもたちをあいてに、ある日の課目に「円形の色紙(いろがみ)」を取り上げたのです。わたしのねらいはつぎの三つでした。

(1) 子どもたちの手さきを、かれらの思いどおりに、自由に器用に動かせられるよう、色紙を大小の円形にハサミできること。
(2) そのきった円形を顔にしたり、目にしたりして、その配置や変化で、表情や感じがかわることを、子どもたちに体得させること。
(3) 子どもたちが、それぞれにつくった別々の顔や表情をひとつにまとめ、筋と起伏を与えることで、共通の作品を通して、おなじ喜びとなかま意識を満喫させること。

このまとめの筋につくったのが、この作品の原型で、子どもたちは自分が切ってはったいびつな目がでてくる顔に、おおいに笑ってくれたものです。したがって友人には悪いけれど 、これはしゃれたフランスの絵本なんかではなく、何をかくそう日本の労働者の街の片隅の子ども会で美術指導副産物として生まれたのが真相なのです。そのつもりで見ていただければ幸いです。
(引用おわり)

なお、本文は縦書きで漢字には全てふりがながふってあります。また、(3)の文中、なかま、という言葉には脇点(傍点)がふってあります。下は、裏表紙から。

この本にはこんな逸話があります。
10数年ほど前、アメリカから一通のファンレターが届きました。英語で書かれていて幼稚園に通う年頃の女の子からで、お父さんはアメリカ人、お母さんは日本人でかこの絵本を読んでもらい、いつか、日本語でかこ先生にお手紙をかけるようになりたいとありました。そこで、加古はたどたどしい英語の返事とともにこの「あおいめくろいめちゃいろのめ」の絵本を送りました。

そして昨年、漢字交じりの美しい文字、綺麗な日本語でその女の子から手紙が届き、大学を卒業をしたとありました。卒業式のガウンをまとった写真の彼女はちゃいろのめ、お父さんは碧眼、お母さんは黒い目でした。十数年前に加古から届いた絵本の登場人物と自分の家族構成がそっくりで、折に触れてこの本と自分の家族を重ね合わせて頑張ってきたそうです。その端正な文字と文面に感嘆、見事に日本語を習得した彼女の努力に感動し、今度は日本語で返事を書きこの本の続編「あおいめのメリーちゃん おかいもの」(2014年 偕成社)をプレゼントしたのでした。

宝尽くし

投稿日時 2017/01/05

松竹梅や鶴亀、鯛などとともにに福だるまの連想につながるだるまちゃんは、縁起がいいとおっしゃってくださる方があります。年始にあたり繁栄や富貴など先人たちの願いがこめられた「宝尽くし」という吉祥文様と関係するものを加古作品の中で探して見ましょう。

お宝といえば、それを狙うのはどろぼうというわけで「どろぼうがっこう」(1973年偕成社)の裏表紙(上の写真)の左下に宝と記された壺(金嚢きんのうでしょうか)、そして表紙には宝鍵(ほうやく)があります。(下の写真、ひろげた手の右下)。字が示すように 大切なものをしまっておく倉庫の鍵で「鍵のてに曲がって」という表現に使われる鍵はこの鍵のことです。
どろぼうだったら、倉庫の中が気になるところです。顔の左上にあるのは、飾りのように見えますが、鍵穴隠しです。

だいこくちゃんの打出の小槌はご存知の通りですが、昔人たちが現代の私たちの生活を見たら打出の小槌で次々に欲しいものが目に前に現れるように思うかもしれません。手をかざせば水が出たり、そばに行けば灯りがついたり、画面に触れたら世界中のニュースが瞬時にわかったり。

下の写真は「だるまちゃんとだいこくちゃん」(1991年福音館書店) です。

逆に現在の私たちには理解しにくいお宝もあります。もうほとんど使うことがなくなってしまった隠れ蓑(みの)と隠れ笠(かさ)。身を守る、あるいは正体を隠す意味で大切なものとされたようです。
蓑笠を日常生活に使わなくなってしまい、若木の葉の形が蓑に似ている樹木のカクレミノなどは名前の由来がピンとこないかもしれません。
写真をご覧ください。若い頃は下にあるように葉が三つに分かれて蓑のようにみえます。

ミノムシ(蓑虫)といえば、木枯らし吹く木立にぶら下がり、まさに冬の図ですが、秋の季語だそうです。最近はすっかり見かけなくなってしまいました。みなさんのお住まいの所ではいかがでしょうか。下は、「かこさとし あそびずかん ふゆのまき」(2014年 小峰書店)の前扉の部分です。

筆者は小さい頃、毛糸や色紙を細かくして箱の中にいれ、蓑からだしたミノムシをその中にいれておくと毛糸や色紙の蓑をまとったカラフルなミノムシになるのを楽しみました。今では絶滅危惧種に上げられている種類もあるそうです。先人たちの意図とは全く異なりますが、生物多様性という視点から見ると隠れ蓑ならぬミノムシも大切な存在だと気づかされます。

(下の写真、ロウバイの幹にミノムシがついています)

投稿日時 2017/01/20

雪のことを思いきり書きたい。雪国育ちの加古の願いが実現したのが「ゆきのひ」(1966年福音館書店)でした。

その12ー13ページ(上の写真)に描かれている町の通りは、福井県越前市の方々によれば、駅前から伸びるあの道がモデルに違いない。新潟県長岡市の皆さんは、あれは雁木通りだ、と。半世紀前の面影を残す場面の数々は昭和をよく知る読者の皆さんには大変懐かしいものとなっています。

「だるまちゃんとうさぎちゃん」(1972年福音館書店)(上の写真)は次のような言葉で始まります。

「さむくなりました。
ゆきが こんこん ふりました。
そして どっさり つもりました。」

お子さん向けの雪の本といえば、「ゆきのひのおはなし」(1997年小峰書店)(上の写真)でしょう。辺り一面銀世界に遊ぶこどもたちの白い息が見えるような、けれども心が温かくなる作品です。

「あそびずかん ふゆのまき」(2014年小峰書店)には表紙(下の写真はその一部)のみならず、雪遊びのいろいろがのっていますし、「こどもの行事 しぜんと生活」の2月の巻(2012年小峰書店)には、様々な雪の呼び名が紹介されていてその数の多さに驚きます。

「地球」(1975年 福音館書店)では雪山と冬眠中の動物が描かれ(下の写真)、「ダムのおじさんたち」(1959年福音館書店)や「万里の長城」(2011年福音館書店)の吹雪の場面は科学絵本であっても効果的に印象深い場面を作りあげています。

「からたちばやしのてんとうむし」(1974年偕成社)の最後の場面(下の写真)、雪に埋もれた落ち葉の下でのてんとうむしたちの会話が聞こえてくるような、静けさに包まれつつ春を待ちわびる気持ちがにじむくだり、ここにも雪国の生活をしる著者らしい思いがこめられているようです。